沿革

 日本河川協会は、昭和15年に全国的な大水害が頻発する悲惨な状況の中で、水害を防除するためには河川に関する国民の認識を深め、官民の一致協力が必要であるとの見地から、全国の都道府県の要請と支援を受けて設立されました。
  設立後、河川講習会の開催、河川愛護思想の高揚と実践、および水防訓練の奨励を3大事業として活動を開始しましたが、残念なことに戦争により協会活動の一時休止を余儀なくされました。しかしながら、終戦直後の昭和20年代の激甚な水害が相次ぐもとで、河川協会は定款を改定し体制を整えて再発足することとなりました。その後今日まで、当協会を構成する地方公共団体、各都道府県の河川協会、および建設関連企業等の会員が一体となって、治水・利水政策の研究、河川の知識の普及、治水・利水事業の促進等の諸事業に取り組み、国土の保全と発展に寄与してきました。

 当協会は、このような長年にわたる成果を踏まえ、国民にとって安全かつ快適で自然豊かな川づくりのために、平成9年12月に定款を変更しました。これは、近年各種の環境問題が地球規模へと拡大する状況の中で、河川に対する自然志向が一段と強まり、その一方で様々な河川利用に対する要望も強くなってくるなど、河川に対する社会的関心の高まりに並行して地域住民や地域団体による川にかかわる諸活動が活発化してきたことが背景になっています。今後の協会活動は、従来の行政機関中心の河川事業促進活動に加えて、大勢の方々に個人会員になっていただき、全国的規模で河川文化の発展のために幅広い活動を展開していこうとするものです。
  さらに、当協会は「公益法人制度改革関連3法」の施行に伴い、内閣府から公益社団法人として認定を受け、平成23年度から不特定多数の利益の増進に寄与する公益事業を進めてきております。


目的
 国民にとって安全かつ快適で自然豊かな川のあり方を探求し、河川に関する情報の交流と知識の普及に努めるとともに、河川整備および関連諸活動を支援することにより河川文化の発展に寄与し、もって公共の福祉の増進を図ることを目的にしています。

事業

1.河川に関する新たな知見や情報などの調査・資料収集を行い、広く一般に成果を公表する事業 【調査事業

【河川に関する意見交換および交流の場を通じた調査、資料収集】

(1) 「河川文化を語る会」((公財)河川財団の河川整備基金助成対象)

 「河川文化を語る会」は、川と人とのかかわりを河川文化として捉え、様々な側面からの知識を習得することや相互の交流を深めることを目的に、講師を招き、講演および意見交換の場として平成10年6月15日から実施しています。
 また、 「河川文化を語る会」の講演4回分を1冊に収録し『河川文化を語る会講演集』として発行しています(第1回〜第185回開催まで)。

「河川文化を語る会」の講演テーマおよび講師一覧

(2) 地球温暖化適応策に関する調査、資料収集

 地球温暖化適応策に関する基礎的な資料を収集し、ホームページに関連情報を掲載しています。また、日本学術会議の「地球環境の変化に伴う風水害・土砂災害への対応分科会」を含め、2つの分科会活動に参画しています。

地球温暖化適応策に関する収集資料リスト

 
【河川に関する情報の提供および知識の普及のための調査、資料収集】

(3) 雑誌『河川』の発刊

 雑誌『河川』(月刊)は、昭和初期から現在までの、その時々の河川事業・河川行政の歴史や社会の変遷を知る貴重な資料として、行政関係者、研究者、学生、一般の方などに広く活用され、高い評価を得ています。

雑誌『河川』&『水利と土木』目次一覧

 雑誌『河川』&『水利と土木』の記事検索
 雑誌『河川』(昭和17年〜)およびその前身である『水利と土木』(昭和3〜16年)の目次および本文記事をホームページで公開しています。記事は、発行年月、題名および著者のキーワードで検索でき、昭和初期から現在までの約80年間にわたる日本の河川事業の経緯と河川行政の歴史を知ることができます。現在、記事の閲覧は、二種正会員(個人会員)の皆様のみです。

(4) 河川情報の資料収集・解析

 雨量・流量年表および日本河川水質年鑑の資料を収集し、解析・整理してその結果を公表しています。
 

【安全かつ快適で自然豊かな河川を実現するための調査、資料収集】

(5) 河道および河川インフラ評価技術に関する調査、資料収集

 温暖化影響の進展等、昨今の状況下では「管理するための技術」の確立が強く求められています。
 このため、「管理するための技術」の確立を目指して、河道や河川インフラの評価技術に焦点をあて、コンサルタントの方々の参加を得て、現場での課題発見とその研究・分析を繰り返して知見を積み重ねていくようなプロセスを今後の進め方の検討に資するため、国における社会資本老朽化対策の検討状況を注視しながら構築を図ってまいります。
 その一環として、大洪水後においても水力発電機能を早期に回復させるという観点からの評価事例をとりまとめ、広く情報発信を行います。

(6) オーラルヒストリー調査((公財)河川財団の河川整備基金助成対象)

 平成13年度より、河川事業および河川制度の歴史研究として、オーラルヒストリー調査(口述記録)を進めており、その成果として冊子を編纂し、行政関係者・図書館・有識者等に無償提供し、広く成果の普及を図っています。(非売品・閲覧可)

   【現在までの刊行記録】

戦後の水害と治水事業(昭和20年代〜昭和40年代)  渡邉隆二
利根川放水路建設計画  尾之内由紀夫
戦後の治水長期計画と河川環境保全  西川 喬
戦後の河川の研究と技術  吉川秀夫 (財)河川環境管理財団
私が歩んだ戦後の河川行政  川崎精一 (財)ダム技術センター
戦後の治水事業(昭和30年代〜昭和50年代)と
   私がめぐり会った人々
 小坂 忠
九頭竜川にかける男  東郷重三
河川総合開発  松村賢吉 他
わたくしの河川行政の歩み  廣瀬利雄
松原・下筌ダム事業オーラルヒストリー  ((財)ダム技術センター
斐伊川・神戸川流域治水事業  定道成美 他
公務と研究半世紀の中の河の経験・水の交流   三本木健治
利根川総合開発と私、その10年
   〜利根川河口堰と八ッ場ダム〜
 陣内孝雄
逆境からの模索
 近藤 徹

 
(7) 川や水の活動団体調査の実施
((公財)河川財団の河川整備基金助成対象)

 川や水をテーマに活動する団体相互の情報交換、活動への市民参加の促進等に役立てるため、「川や水の活動団体」の調査を行い、ホームページで公開しています。現在、「川や水の活動団体名簿」には、全国の約3,580団体が登録されています。

川や水の活動団体紹介


2.河川関連キャンペーン(「川の日」キャンペーン、日本水大賞、水防演習(関東他6地区)、河川愛護月間、水の週間等)への参画および支援を行い、 安全かつ快適で自然豊かな河川を実現するための啓発活動を広く一般に向けて行う事業 【キャンペーン事業

(1) 「川の日」キャンペーン

 「川の日」実行委員会が実施する「川の日」記念行事を事務局として支援しています。「川の日」の7月7日ごろに、商用Webサイトにバナーを掲載し、これにリンクして様々なコンテンツを広く一般に提供し、「川の日」の啓発を図っています。

(2) 水防演習に参画

 全国の会員の皆様のご賛同とご支援を得て、出水期前の5月から6月の水防月間に開催される水防演習に参画し、冊子『自分の命を自分で守るために』を作成・配布するなど、一般の方々の防災意識向上のためのキャンペーンを企画・実施しています。

(3) 河川関係キャンペーンに参画

 河川愛護月間、水の週間のキャンペーンに参画します。

 
3.きれいな川、親しめる川と共に暮らすため、川や水辺で活動している河川関係社会貢献活動団体が行っている、水資源確保、河川美化清掃、水質保全などの水環境保全活動資金を、公募・選考を経て助成を行う事業 【助成事業】

(1) 「きれいな川と暮らそう」基金の助成の実施

 ライオン(株)から寄附を受け、「きれいな川と暮らそう」基金助成を、きれいな川、親しめる川と共に暮らすため、川や水辺で活動を行っている学校や市民団体に対し、活動資金を助成しています。また、助成した団体名・活動名のほか、前年度に助成した活動の報告をホームページで公表しています。
 

4.河川に関するセミナー、シンポジウム、研修等の開催および支援により、専門的知識の普及や人材育成を行う事業 【研修・セミナー事業】

(1) セミナーの開催

 水防に関する制度・法律等をテーマにした「水防研修」、河川管理・訴訟等をテーマにした「河川管理研修」、河川計画・技術等をテーマにした「河川講習会」を開催し、専門的知識の普及を図っています。

水防研修 平成27年4月16〜17日
河川管理研修      平成27年10月8〜9日
河川講習会 平成28年1月28〜29日
水防研修 平成28年4月14〜15日

 
(2)
地域研修への支援 ((公財)河川財団の河川整備基金助成対象)

 国土交通省各地方整備局、都道府県、市町村等の河川担当者の技術力の向上を図るため、各地域が抱えている課題や問題点について、共に学び議論・発表する場を設けた地域河川技術研修の開催を支援しています。

H17.11.01〜02   近畿河川技術研修(大阪市)   (テーマ:防災)
H18.04.26〜27   東北河川技術研修(仙台市)   (テーマ:河川管理)
H18.05.18〜19   九州河川技術研修(福岡市)   (テーマ:防災)
H19.01.30〜31   近畿河川技術研修(大阪市)   (テーマ:河川管理)
H19.02.13〜14   四国河川技術研修(高松市)   (テーマ:河川管理)
H19.11.14〜15   中部河川技術研修(名古屋市)   (テーマ:防災と環境)
H19.11.29〜30   北陸河川技術研修(新潟市)   (テーマ:地域との協働・連携)
H20.01.30〜31   近畿河川技術研修(大阪市)   (テーマ:連携による川づくり・まちづくり)
H20.11.12〜13   中国河川技術研修(広島市)   (テーマ:安全・安心と地域連携)
H21.01.27〜28   四国河川技術研修(高松市)   (テーマ:これからの川の管理を考える)
H21.02.04〜05   近畿河川技術研修(大阪市)   (テーマ:川の減災 ―水害・集中豪雨・水難事故―)
H21.02.16〜17   北海道河川技術研修(札幌市)   (テーマ:防災と河川管理)
H21.10.21〜23   東北河川技術研修(仙台市)   (テーマ:総合的な技術力を身につけた
                 河川技術者の育成)
H21.11.16〜17   北陸河川技術研修(新潟市)   (テーマ:これからの豪雨災害とその対策)
H22.01.21〜22   近畿河川技術研修(大阪市)   (テーマ:防災と連携)
H22.03.15〜16   中部河川技術研修(名古屋市)   (テーマ:防災と河川管理)
H22.11.09〜10   北海道河川技術研修(札幌市)   (テーマ:これからの河川管理)
H22.11.29〜30   四国河川技術研修(高松市)   (テーマ:これからの河川管理を考える)
H23.01.20〜21   近畿河川技術研修(大阪市)   (テーマ:地球温暖化に伴う気候変化への対応)
H23.02.02〜03   中国河川技術研修(広島市)   (テーマ:いまの河川管理を考える)
H23.11.16〜17   北陸河川技術研修(新潟市)   (テーマ:大震災後の防災と地域協働)
H24.01.19〜20   近畿河川技術研修(大阪市)   (テーマ:これからの治水対策)
H24.12.03〜04   中部河川技術研修(名古屋市)   (テーマ:河川の維持管理)
H25.01.24〜25   近畿河川技術研修(大阪市)   (テーマ:猛威をふるう自然災害に対する河川の取り組み)
H25.02.07〜08   九州河川技術研修(福岡市)   (テーマ:九州北部豪雨災害現場からの報告)
H25.02.12〜13   中国河川技術研修(広島市)   (テーマ:いまの河川管理を考える)
H25.11.07〜08   北陸河川技術研修(新潟市)   (テーマ:地域に求められる持続的な河川管理)
H26.01.15〜16   四国河川技術研修(高松市)   (テーマ:これからの河川管理を考える)
H27.01.29〜30   近畿河川技術研修(大阪市)   (テーマ:各地で多発する豪雨災害への対応)
H27.03.15   防災シンポジウム in 仙台   (テーマ:防災情報をいかに伝えるか)

 
5.河川に関する功労者表彰、コンクールの実施および支援することにより、不特定多数の利益の増進に寄与する諸活動等を顕彰する事業 【表彰・コンクール事業】

(1) 河川功労者表彰の実施

 昭和24年(1949年)に創設以来、治水・利水・環境の観点はもとより、歴史・文化、河川愛護、国際貢献、学術研究、地域振興等の観点から、広く社会に対して功績のあった個人や団体を表彰しています。
 平成28年度までの表彰件数は、3,658件となっています。

河川功労者名簿

 
(2)
日本水大賞/日本ストックホルム青少年水大賞

            ((公財)河川財団の河川整備基金助成対象)

「日本水大賞」は、日本水大賞委員会(名誉総裁:秋篠宮殿下、委員長:毛利 衛)を実施主体として、水循環の健全化に貢献する様々な活動を支援する目的で、平成10年に創設され、支援をしています。毎回全国から多数の応募があり、厳正な審査によって受賞者が決定されます。表彰式は名誉総裁である秋篠宮殿下ならびに同妃殿下のご臨席をいただき、受賞者をはじめ多数の関係者が参加して盛大に開催されています。

「日本ストックホルム青少年水大賞」は、平成13年から日本水大賞の一環として設けられ、毎年夏にスウェーデンで開催される、若い研究者を対象とした国際コンテスト「ストックホルム青少年水大賞(Stockholm Junior Water Prize)」に派遣する日本代表を選考しています。平成16年の日本代表である「沖縄県立宮古農林高等学校環境班」は、アジアで初めてグランプリを獲得、平成18年の代表「京都府立桂高等学校草花クラブ」は準グランプリを獲得しました。

 日本水大賞および日本ストックホルム青少年水大賞は、毎年7月7日(川の日)より募集を開始し、翌年3月末から4月上旬に各賞を発表、6月または7月に表彰式を開催しています。

 
6.河川に関する図書等の刊行 【収益事業】

日本河川協会取り扱いおよび監修図書
 

7.会員活動への助成、会員への情報誌の配布、河川関係諸団体の活動への支援 【会員活動助成等事業】

(1) 会員活動への助成

 会員の親睦、交流およびサークル活動をより一層推進させるため、現在15の府県および職域単位で設立されている会員組織を支援し助成を行うとともに、未設立の都道府県には会員組織の設立を働きかけていくとともに、会員が各地域において、川をテーマにした自主的な研究や地域活動への参加を行うサークル活動に対して、その経費の一部を助成しています。
 
 現在、設立されている組織は次のとおりです。

青森県  「あおもりの川を愛する会」   山口県 「やまぐち水辺交流会」
秋田県 「あきた川の会」   徳島県 「徳島の川づくりを考える会」
栃木県 「とちぎの川懇話会」   愛媛県  「えひめ川の会」
埼玉県 「彩の川研究会」   福岡県  「ふくおかの川と水の会」
千葉県  「ちば河川交流会」   東北地方整備局と各県
新潟県 「にいがた川の会」     「みちのくの川を考える会」
富山県 「“とやま”川の会」   関東地方整備局
愛知県 「愛知・川の会」     「関東のいい川をつくる会」
大阪府  「大阪の河川(かわ)を愛する会」      

 また、会員が各地域において、川をテーマにした自主的な研究や地域活動への参加を行うサークル活動に対して、その経費の一部を助成しています。
  現在活動中のサ−クルは次のとおりです。

東北地方
 ・親しめる川づくりサークル(青森県)
 ・サークル「母なる川」(青森県)
 ・堤川を愛する会(青森県)
 ・ジョイリバーおいらせ(青森県)
 ・みちのく川づくり研究会
関東地方
 ・埼玉の舟運と現在も残る河岸の歴史研究会(埼玉県)
 ・ちばの川を訪ねる会(千葉県)
 ・千葉県内の湧水・自噴井戸の調査研究会(千葉県)
 ・千葉県の川・水に関わる土木遺産の調査グループ(千葉県)
 ・水源の会
 ・利根川歴史研究会
 ・多自然型河川工事の現場施工研究サークル(休止)
 ・日本のいい川・いい川づくり研究会
 ・利根川流域交流会
 ・関東いい川研究会
北陸地方
 ・川や水辺を写し撮る会(富山県)
中部地方
 ・治水史跡探訪会(愛知県)
 ・近自然工法研究会(愛知県)
中国地方
 ・山口の川の歴史・文化遺産を探訪する会(山口県)
 ・山口県の川を通じた国際交流会(山口県)
九州地方
  ・川にふれあう会(福岡県)
  ・川に学ぶ会(福岡県)
  ・森を育てる会(福岡県)

 
(2) 会員への情報誌 会報『河川文化』の配布

 会報『河川文化』(平成10年4月創刊,年4回発行) は、「川における様々な文化」をテーマに全国各地からの情報を発信する会員向けの情報誌で、無料配布を行っています。

                 【特集】

第65号   平成26年   3月号    川と祭
第66号       6月号    川と橋
第67号       9月号    沖縄の川
第68号       12月号    越の川
第69号   平成27年   3月号    蘇る川
第70号       6月号    川と食文化
第71号       9月号    川と民話
第72号       12月号    川と教育
第73号   平成28年   3月号    岐阜の川(予定)

 会報『河川文化』閲覧サービス
 会報『河川文化』のバックナンバーを閲覧することができます。対象は二種正会員(個人会員)の皆様です。 


(3) 河川関係諸団体の活動への支援・協力

 河川に関係する諸団体が行う公益的な活動に対して、支援・協力をしています。


組織

 現在の役員は、会長1名、副会長2名、理事20名(専務理事、常務理事を含む)、監事2名で、任期は2年です。

  会  長  虫明 功臣 (むしあけ かつみ)
 


 【組織図】

組織図


  【役員名簿pdficon


入会のご案内
  • 二種正会員(個人会員)に入会をご希望の方は、入会申込書を郵送またはFAX で当協会までお送りください。(詳しくはこちらをご覧ください)。
  • 一種正会員または三種正会員に入会をご希望の方は、当協会に直接お問い合せください。
    入会のご案内と申込書を送付いたします。

ご寄付のお願い
 当協会の公益事業へのご寄附には、税の優遇措置が受けられます。