河川文化
河川文化を語る会講演集 <その29>

写真「河川文化を語る会(その29)」

平成10年6月から、川に関心のある方々が月に一度集まり、川にかかわる文化をテーマにゲストスピーカーから話を聞き、意見交換をしてまいりました。

今回、平成20年3月から平成20年8月までのうち4回分の講演内容を講師が加筆修正し、講演集としてまとめました。

※ 販売は終了いたしました


収録内容

いのちと水を守る森の再生をめざして ―日本から世界へ―

 鈴木 伸一 氏 
((財)地球環境戦略研究機関 国際生態学センター 主任研究員)
宮脇 昭 氏 
((財)地球環境戦略研究機関 国際生態学センター センター長)

河川と森林
人間による植生破壊と鎮守の森
森づくりと潜在自然植生
潜在自然植生の判定
ポット苗による環境保全林形成
地震に対する森林の保全機能
日本各地における環境保全林形成
海外における植栽
 マレーシアの事例/アマゾンの事例/中国の事例
植樹の輪を広げる
 

川エビから水辺の小わざへ、そして環境マネジメントへ

 浜野 龍夫 氏 
((独)水産大学校 生物生産学科 准教授)

はじめに
 山口県厚狭川で魚道を切る/徳島県日和佐川でエビをとる
ヤマトヌマエビの生態研究
 ヤマトヌマエビの繁殖行動/ヤマトヌマエビの生活史の謎/
 稚エビは夜中に海からやってくる/海から川へやってくる生物の遡上
島国日本の河川生物の生活史特性
 不安定な環境の日本の河川/河川生物の四グループ
山口県発! 水辺の小わざ
 魚道の野外実験からスタート/「水辺の小わざ」の誕生/
 『水辺の小わざ』の内容/「水辺の小わざ」の施工事例/
 「水辺の小わざ魚道」の開発/「水辺の小わざ魚道」の施工事例/
 「水辺の小わざ魚道」の隠れた特長/「水辺の小わざ魚道」のさまざまなタイプ/
 安価に魚道を設置するための判断
流域の環境マネジメント
 県外に広がる「水辺の小わざ」/「水辺の小わざ」から流域の環境マネジメントへ
おわりに…
 

"水と文化の回廊" ―松江市の水と文化の歴史をさぐる―

斎藤 次男 氏 
(サイバー大学 客員教授)

はじめに
水と文化の回廊
まちづくりに対する私の考え方
自然と環境の違い
寺田寅彦氏の自然観について
風土と文化の違いについて
安藤昌益と自然
西欧合理主義の環境と日本の自然について
自然の自己運動と日本の神
安藤昌益についてもう一言
男女を「ひと」と読ませる
ゴアの『不都合な真実』と自然の輪
M・M・Nの都市計画について
 

河川名の起源・由来を分類する

     楠原 佑介 氏 
(地名情報資料室 主宰)

地名は差別用語ではあり得ない
帰納法による民衆のための政治地理学
河川名を分析し、科学してみよう
 一級河川・水系名の由来/閉塞河口を示す河川名/
 乱流する網目状流路を表現/取っ手つきの急須状の茶道具に見立てる/
 砂州と窪地が織りなす三角州/「熊野川」に圧倒された「新宮川」/
 船底が川砂をこする浅い川/海峡を挟んで二カ所ある「吉野」の謎/
 「渡川」は根拠ある水系名/伏流水が潜る川
 


講演者略歴