第211回

河川文化を語る会


砂防の歩みから考えるこれからの防災


講 師:

(一財)砂防・地すべり技術センター 審議役
三上 幸三
(みかみ こうそう) 

講演概要

 我が国は、国土のおよそ7割を占める山地から様々な恵みを享受しつつ、低平地中心に高度な土地利用が進み、豊かな社会生活が成り立っている。河川流域を見れば、上流域から下流域に水と土砂が運ばれ、様々な恩恵がもたらされる一方で、流送土砂による災害や弊害も発生する。加えて、土石流や地すべり、がけ崩れといった土砂災害は、年平均1,000件にも達し、人命・財産に甚大な被害をもたらしている。
 土砂災害を防ぐための「砂防」が体系的に整理されたのは、淀川流域での取り組みにその原点があるとされる。その後、日本の砂防はハード・ソフト両面からの総合的な対策として進化・発展し、海外からも「SABO」として高く評価されている。
 気候変動の影響もあり、自然災害が多発化傾向にある我が国において、これからの防災の進むべき方向を砂防の歩みを通して考えていく。

参加者コメント  

  • 人の暮らしと命を守る熱意がひしひしと伝わってきました。ありがとうございました。
  • 砂防の歴史や文化(考え方)を知れたことや、過去の災害により法が変わると知れば、
      今後もいつ変わってもおかしくない(新しい考え方が存在する)と理解しました。
  • 直接被害の生じる土砂災害の対策の重要性を再確認した
  • 国交省時代の経験を踏まえた内容であり、災害時の大変さなどが分かり、
      そこからどういう考えで制度ができてきたかを知ることができ勉強になりました


  • 講師コメント
     「砂防」の原点が淀川流域にあり、災害と対峙しながら「砂防」「防災」が進化してきたことを紹介したあと、意見交換をさせていただきました。「防災・減災」を着実に進めていくことの重要性を参加者で共有できたと思います。ありがとうございました。


    日 時
    2023年12月18日(月) 14:30〜16:30 (会場受付開始 14:00) 
    場 所

    エル・おおさか 本館5階「視聴覚室」


    会場全体の様子

    日本河川協会の高村参与による開会挨拶

    三上先生による講演の様子1

    大阪の河川を愛する会の田中会長による閉会挨拶

    ※ レジュメのデータは、講師より掲載の許可を得て公開しています。適切なご利用をお願いいたします。




    河川基金ロゴマーク 当講演会は、公益財団法人河川財団による河川基金の助成を受けています。