目的
 

 地球は水の惑星といわれており、水は自然界の中で循環し、その過程で災害により幾多の被害をもたらす一方で、人間を含む地球上の生命を育み、生存を支え、汚染を浄化してきました。
 我が国は、高度成長期を通じて、都市への人口の集中と産業活動の集積、産業形態の変化等が進み、国民の生活も高度化が進んできました。この過程の中で降雨の流出および水利用の形態の変化による悪影響、水質の悪化、生物の多様性の喪失等、水循環系に関する様々な看過できない弊害が露呈してきました。
 それに加え、近年の地球規模での気候変動等を背景として、 気象条件が不安定となり、 我が国においても集中豪雨の多発化や小雨傾向が顕著になってき
ました。

 このような人為的な活動および地球規模の気候変動による水循環系の変化は、現代社会の持続可能な発展を根底から揺るがす恐れもあり、重大な認識を持って健全な水循環系の再生に取り組まなければなりません。健全な水循環系とは、流域を中心とした一連の水の流れの過程において、人間社会の営みと環境の保全に果たす水の機能が、適切なバランスの下にともに確保されている状態のことです。こうした健全な水循環系の再生は、産学官はもとより民間非営利組織(NPO)や一般住民の方々まで含めて、一体となって取り組む必要があります。

 東日本大震災での津波による未曾有の被害は、まだ記憶に新しいところです。 また、平成27年9月の関東・東北豪雨、平成28年8月に北海道・東北地方を襲った台風10号等の一連の台風では、住民の逃げ遅れや家屋の浸水により甚大な被害が発生しました。このような大規模な水災害を受けた地域の復興にも同様な取り組みが求められます。

 日本水大賞は、21世紀の日本のみならず地球全体を視野に入れて、水循環の健全化を目指し、美しい水が紡ぎ出す自然の豊かさの中にも水災害に対して強靱な国土と社会の実現に寄与することを目的としています。