第23回日本水大賞 2021日本ストックホルム青少年水大賞
日本水大賞委員会 毛利委員長よりお祝いメッセージ
   

令和3年6月15日 

 日本水大賞委員会名誉総裁の秋篠宮皇嗣殿下のご指導のもと、第23回日本水大賞・2021日本ストックホルム青少年水大賞が決定し、ご報告できますことをうれしく思います。また選考のために労をとられた審査部会の皆様方、ご応募いただいた個人と諸団体、および主催、協賛団体、後援団体すべての皆様方のご協力に日本水大賞委員会を代表して感謝申し上げます。

 新型コロナウイルスの感染によって亡くなられた世界中の方々のご冥福とともに、現在、病床にあるすべての患者さんが無事回復されることを心よりお祈り申し上げます。この感染症の出現によって私たちの身近な生活様式が一変しました。水大賞の表彰式も昨年、および今年も中止を余儀なくされ、関係者の方々がせっかくの晴れ舞台で対面による表彰ができなくご迷惑をおかけしました。特に2020日本ストックホルム青少年水大賞は世界のグランプリを獲得しましたが、スウェーデンでの表彰式が開催されず残念でした。しかし、名誉総裁である秋篠宮皇嗣殿下がオンラインで受賞校の生徒たちに直接お声をおかけになり喜びを共有されました。受賞者はもちろんのこと主催者としても有り難く感謝しております。

 過去、人類は逆境にあるときほど力を合わせて工夫し、それを乗り越える努力をしたような気がします。100年ほど前にスペイン風邪の流行により世界中で死者4000万人とも言われる犠牲者がでました。ウイルスが発見される前のことですが、マスクなどそのときなりに最新の科学技術による方法で対処してきました。現在はウイルスが科学的に解明されたたことと、さらに情報共有の急速な進歩によって犠牲者の数は大幅に減りました。しかし、100年経た現代でも災害への対処行動は世界中の人々が住む環境や社会の生活習慣によって異なります。日本でとられている方法が他の国のベストとは限りません。ウイルスは自然環境から発生し何億年もかけて地球生命と共存してきました。同じように私たち日常に欠かせない水は地球上すべての社会にとって恩恵と同時に災害となります。ウイルスへの対応以上に地域社会によって多様な対応を経験してきました。その結果、互いに役立つ共通な知恵が地球上でたくさん蓄積されています。日本の各地で見いだされた日本水大賞の知恵がウイルスへのワクチン投与のように、人類の持続的な存続に少しでもお役に立てれば幸いです。