第190回

河川文化を語る会


荒川西遷以後の荒川中流部の洪水氾濫と避難特性の変化
―川島町を例として―

講 師:

田中 規夫 (たなか のりお) 氏 
 (埼玉大学大学院理工学研究科教授)

 利根川の東遷、荒川の西遷は埼玉県の河川網の根幹を形成する大プロジェクトであった。特に、荒川の瀬替えは旧河道の1つを利用したものの、旧川島領周辺の洪水危険度を増大させた。旧川島領においては西遷の前後において大囲堤を増築したが、荒川中流部の洪水被害は頻発し、自然堤防上等に土盛をして建物を築造し洪水時に避難する「水塚」による自己防衛の役割が大きい時代が長く続いた。しかし、明治43年洪水の壊滅的被害を契機とした荒川下流部改修、大正2年洪水を受けての上流部改修により、同地域の洪水特性は大きく変化した。洪水氾濫頻度は下がり、洪水避難に活用可能な時間は増えた一方で、万が一決壊した場合には、水塚による自己防衛機能だけではまかないきれない湛水深5mの地域も発生する可能性がある。洪水避難に活用できる時間が増加したことを踏まえ、自助・共助の役割を現代的な意味で復活させること、そのための支援(公助)を行っていく必要がある。


【講師略歴】
埼玉大学大学院理工学研究科教授。(兼)埼玉大学レジリエント社会研究センター教授。
東京大学大学院工学系研究科博士課程で工学博士を取得後、民間会社、国土交通省系財団法人(出向)、埼玉大学講師、埼玉大学助教授を経て、2007年より現職。
乱流研究、水環境学、生態工学を経て、現在は、水にかかわる自然災害(特に洪水、津波)に関する防災減災工学を生態系や環境とのつながりを意識して取り扱っている。
著作は、『津波と海岸林:バイオシールドの減災効果』(共立出版:共著)、『日本の川と河川技術を知る−利根川―』(土木学会水工学委員会編)をはじめ、国際・国内学術雑誌論文約180編など。
 
日 時
平成28年10月26日(水) 14:00〜16:00
場 所
ときわ会館 5F「501会議室」

(さいたま市浦和区常盤6-4-21 TEL:048-822-4411)

交 通
「浦和駅」西口から徒歩16分,「北浦和駅」西口から徒歩15分
  ※ 駐車場が少ないため、公共交通機関をご利用ください。
参加費
無 料
申込み
申込み方法はこちらです。
FAX ・郵送・E-mailのいずれかでお申し込みください。
 お申込み後の参加票の送付等はありません。直接会場へお越しください。
問い合わせ

日本河川協会「河川文化を語る会」事務局  担当:高木,佐藤
TEL:03-3238-9771   FAX:03-3288-2426 
E-mail:katarujapanriver.or.jp  ※「★」を半角「@に置き換えてください。

主催:公益社団法人 日本河川協会   共催:彩の川研究会   後援:埼玉県

※ ご連絡いただきました個人情報は、厳重に管理した上で、
講演会等当協会からのご案内に利用させていただきます



ご家族、お知り合いの方々、お誘い合わせの上、ふるってご参加ください。
ご参加、お待ちしております。
PDFファイルのチラシもご利用ください。

河川基金ロゴマーク 当講演会は、公益財団法人河川財団による河川基金の助成を受けています。
また、「土木学会CPDプログラム」として認定されています。【認定番号:JSCE16-0992,単位数:2.0単位】
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