第139回

河川文化を語る会

一植物学者がみる河川


講 師: 大場 秀章 (おおば ひであき)  
(東京大学 名誉教授)

 層状構造をもつ地球だが、実際に目にするのは最外の層、表層である。しかし、その陸上部分はあたかも着物を着ているかのように、植物に被われている。地表を被うこの植物の着物を「植生」という。
 植生は一様ではなく多様である。この多様な植生は、主に植物の生存に欠かせない温度、水、そして土壌(塩類)の3つの量的な違いによって生じる。
 温度は基本的には緯度に沿って変化するので、水や土壌条件が同一なら緯度に沿って同じ植生が並行するパターンになるはずだ。しかし実際は違う。パターンを複雑にしているのが、水と土壌条件だが、マクロスケールでは水である。水は大きく、2つの方法で供給される。ひとつは降水であり、他は山と川による分配である。降水は広い地域を一様に涵養するが、山河による分配には量やパターンに大きな地域差がある。一般に乾燥地や準乾燥地での水の供給は分配によるものが大半である。川はまた水がその生成消滅に深く関与するが、一方で植物への水の分配を左右する。川と植生の関係を水の配分を中心に考えてみたい。


【講師略歴】

1943年、東京生まれ。1970年東北大学理学部助手、73年東京大学総合研究資料館助手、78年同理学部助手、講師を経て、81年同総合研究資料館助教授、96年同総合研究博物館同教授。2006年東京大学名誉教授。
現在は植物多様性・文化研究室を主宰。東京大学総合研究博物館特招研究員、NPO法人栽培植物名称研究所理事長、王立園芸協会日本支部理事などを兼任。専門は植物分類学、植物文化史。
主な著書に『秘境・崑崙を行く―極限の植物を求めて―』(岩波書店,1989年)、『植物学と植物画』(八坂書房,1996年)、『バラの誕生―技術と文化の高貴なる結合―』(中央公論社,1997年)、『江戸の植物学』(東京大学出版会,1997年)、『ヒマラヤを越えた花々』(岩波書店,1999年)、『サラダ野菜の植物史』(新潮社,2004年)、『ヒマラヤの青いケシ』(山と渓谷社,2006年)、『花の肖像」(創土社,2006年)、『大場秀章著作選 T,U』(八坂書房,2006・07年)などがある。


日 時
平成21年12月7日(月) 18:00〜20:00
場 所
厚生会館(全国土木建築健保)  5F「青竹・紅梅」

  (東京都千代田区平河町1-5-9 (財)土木建築厚生会 TEL:03-3264-1241)

交 通
東京メトロ 有楽町線 : 麹町駅1番出口徒歩2分
東京メトロ 半蔵門線 : 半蔵門駅1,2番出口徒歩5分
参加費
二種正会員(個人会員)/学生 : 無 料
一 般 : 500円 (当日申し受けます)
申し込み

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心よりお待ちしております。
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この「河川文化を語る会」は(財)河川環境管理財団の河川整備基金事業で行っています。
「土木学会CPDプログラム」として認定されています。【認定番号:JSCE09-0564,単位数:2.0単位】
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